ソウルの都心にある世界遺産:宣陵・靖陵の魅力

宣陵と靖陵 韓国
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こんばんは。オヤジです。

2024年4月のソウル旅行のテーマは世界遺産巡りでした。その中で最初に訪れたのが、江南(カンナム)エリアにある朝鮮王陵(チョソンワンヌン)の宣陵(ソルルン)・靖陵(チョンヌン)です。

王陵一帯は緑豊かな公園として整備されており、散策スポットとしても魅力的です。

今回の記事では、宣陵・靖陵の見どころをお伝えいたします。

朝鮮王陵について

まず、朝鮮王陵について簡単に触れておきます。

朝鮮王陵は朝鮮王朝及び大韓帝国時代の1408年〜1966年の約5世紀にわたり造られた歴代王族の王陵です。そのうち、40基が「朝鮮王朝の王陵」として2009年にユネスコ世界遺産に登録されました。

王陵は全部で42基ありますが、そのうち2基は北朝鮮にあるため、世界遺産には含まれていません。

王陵は儒教と風水にもとづいて造られる場所が選ばれ、自然の景観を活かして造成されています。

王陵の場所は王が一日で往来できる距離を基準にしており、ほとんどの王陵が朝鮮王朝の首都であった漢陽(現在のソウル)周辺に位置しています。

また、王陵造成と関連する全てのプロセスが詳細に記録されており、現在に至るまで各王陵では祭祀が行われるなど、伝統を受け継いでいます。

朝鮮王陵は単なる墓地ではなく、歴史的、文化的、芸術的価値の高さが認められ、文化遺産として世界遺産に登録されています。

宣陵・靖陵のロケーション

宣陵と靖陵は、ソウル市内の江南区に位置しています。同じ敷地内にあるため宣靖陵(ソンジョンヌン)とも呼ばれています。また、敷地内には陵が3つあるため三陵(サムヌン)公園とも呼ばれています。

地下鉄2号線鉄道盆唐(ブンダン)線の宣陵(ソルルン)駅8番出口から徒歩約5分でアクセスできます。

8番出口を出て真っすぐ3分ほど進み、横断歩道をわたった先が宣陵・靖陵です。

宣陵と靖陵入口

入口を入り、左手にチケット売場(赤枠部分)があります。

住所1 Seolleung-ro 100-gil, Gangnam District, Seoul, 韓国
電話番号+8225681291
WEBサイトhttps://royal.cha.go.kr/JPN/contents/J106010000.do
営業時間3~10月:6:00~21:00
11~1月:6:30~17:30
2月:6:00~18:00
*最終入場は営業終了時間の1時間前
休業日月曜日
入場料大人(19〜64歳):1,000ウォン
子供(7〜18歳):500ウォン
*6歳以下、65歳以上は無料(要身分証明書)
見学所要時間1時間〜1時間30分

宣陵・靖陵の見どころ

朝鮮王陵の形態は下記の6つに分類されます。

形態説明
単陵王や王妃の墳丘を単独で造成した御陵
双陵1つの丘陵に王と王妃の墳丘を並べて造成した御陵
合葬陵王と王妃を1つの墳丘の中に合葬した御陵
同原異岡陵同じ墓域に1つの丁字閣を設け、別な丘に墳丘を造成した御陵
同原上下陵1つの丘に王と王妃の墓を上下に造成した御陵
三連陵1つの丘に王と二人の王妃の墳丘を並べた御陵

宣陵は、朝鮮王朝第9代の王、成宗(ソンジョン)と継妃である貞顕(チョンヒョン)王后の陵で、1495年に造成されました。同一の陵名を使用するものの、それぞれ別の丘に陵が造られている「同原異岡陵」という形態が取られています。

靖陵は成宗の2番目の息子で第11代の王、中宗(チュンジョン)の墓で「単陵」の形態を取っています。

靖陵は、元々ソウル市の北西部、京畿道高陽市にありましたが、風水地理上の好地ではないという理由等で、1562年に現在の場所に移されたそうです。

宣陵 - 成宗大王陵

入って左側に少し進むと宣陵があります。

宣陵

最初に目に入るのが、紅箭(こうぜい)門です。この門は、神聖な地域の印となる門です。

奥にあるのが丁字閣と呼ばれる、祭礼時に祭祀を執り行う丁字形の建物です。門から丁字閣に続く参道は左側が高くなっており、神が通る道という意味で神道と言い、右側が奥が通る道という意味で御道と言います。

宣陵

成宗大王陵は丁字閣のやや左奥に位置しています。正面の丸く盛り上がった部分が成宗の眠る陵寝です。

宣陵

陵寝の手前には王を護衛する長剣を持った武人石が2体、笏(しゃく)を持った文人石が2体配置されています。その他にも石馬、石羊、石虎が4体ずつ配置されています。

残念ながら陵寝周辺の中に入ることはできません。

宣陵 - 貞顕王后陵

成宗大王陵から右手方向に少し歩くと貞顕王后陵が見えてきます。

宣陵

陵の構成は成宗大王陵と同じで、墓を守るための石像や、石灯籠が配置されています。

宣陵は同原異岡陵(同じ墓域に1つの丁字閣を設け、別な丘に墳丘を造成した御陵)のため、紅箭門や丁字閣は成宗大王陵と貞顕王后陵で共通です。

靖陵

貞顕王后陵から道沿いに10分ほど歩くと靖陵があります。

靖陵

靖陵は陵寝の近くまで行くことができないのですが、陵寝周辺の構造は成宗大王陵や貞顕王后陵と同様です。

靖陵

宣陵は単陵(王や王妃の墳丘を単独で造成した御陵)で紅箭門と丁字閣、陵寝が一直線上になっています。

散策

陵の敷地内はよく整備されており、観光客だけではなく地元の方の憩いの場となっています。

周辺は多くのビルが建ち並ぶ江南の中心街ですが、公園内はまるで時が止まったかのように静かな空間です。

宣陵と靖陵

静かな公園内を散策しながら、歴史の重みを感じることができます。

まとめ

宣陵・靖陵は、韓国の歴史や文化を深く理解するための貴重な場所であり、都会の喧騒から離れて静寂を味わえる隠れたオアシスです。

江南地区に位置しアクセスも良好なため、ソウルを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。歴史的な背景や風水に基づいた美しい造形が、訪れる人々に深い感動と安らぎをもたらしてくれることでしょう。

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