こんばんは、ムスコです。
中国は近年稀に見ないほど独自な進化を遂げており、特に支払いの面やサービスの面ではかなりガラパゴスに発展しており、なかなか外国人にとって中国の訪問は難易度の高いものになりました。
ただ、最近は対コロナ政策を大きく緩和したこともあり、外国人を考慮に入れたサービスも開始しています。特にAlipayさえあれば外国人でも中国人と変わらないサービスを享受できます。
Alipay (支付宝) とは
Alipayは、中国のアリババグループが提供するモバイル決済サービスです。中国ではWeChat Payと並び2大決済サービスとして有名なアプリです。
スマホ一つで簡単に支払いができるQRコード決済が大きな特徴ですが、それ以外にも送金、公共料金の支払い、タクシーの予約、投資など、様々なサービスを利用できます。
最近は中国のプリペイドカードや銀行口座がなくても、外国発行のクレジットカードとの紐づけが可能となり、外国人でも簡単に利用できるようになりました。中国旅行には必須のアプリです。
そもそも中国はキャッシュレス社会であり、現金を入手できる場所が非常に限られています。例えば空港であっても両替所がほとんど無く、ATMですら限られた数カ所にのみ設置されています。
また現金の受け取りをお釣りがないという理由で拒否されることもあるそうです。（一応法律では現金の受け取り拒否は禁止または罰金に値する行為とされていますが、そもそも中国語が話せない外国人は対抗する手段がありません）
Alipayの登録方法
ではAlipayの登録方法を紹介します。
Alipayは中国のアプリですが、言語は中国語 (簡体字と繁体字) 以外に英語にも対応しています。そのため、他の中国のサービスと比較するとかなり使いやすいアプリです。
Alipayのダウンロード
まずはApple StoreもしくはGoogle PlayストアでAlipayをインストールしましょう。インストールが完了したらアプリを開きましょう。
会員登録
まずアプリを開くとプライバシーポリシーが表示されます。プライバシーポリシーを確認し、「Agree」をタップして先に進みましょう。
次に電話番号でAlipayに登録します。
デフォルトでは国番号が中国の「86」になっているので、「Japan」を探して国番号を「81」に変更しましょう。変更が完了したらご自身の電話番号を入力してください。
SMS認証に移る前にまたポリシー合意を要求されるので、「Agree」をタップして先に進みましょう。次のページではSMS認証のページとなるので、入力した電話番号に送られてきた認証番号を入力しましょう。
認証完了後、最後にご自身の国を選択する必要があるので、「Japan」を選択しましょう。これで会員登録の作業は完了です。
クレジットカードの紐づけ
Alipayを利用するためにはクレジットカードを登録する必要があります。アプリに会員登録をした際に同時にクレジットカードの紐づけを行うことをおすすめします。
まずは「Account」へ進みましょう。「Account」へ進んだら「Bank Cards」という項目を選択してください。こちらのページよりクレジットカードの紐づけが可能です。
次に「Add Card」を選択しましょう。
「Add Cards」をタップすると、まずはパスコードの登録を要求されます。6桁の数字を入力してパスコードの登録を行ってください。
カード番号は手入力もしくは画像認証で登録が可能です。個人的にはスキャン機能を使った画像認証が手軽でおすすめです。
カード番号を入力したら有効期限とCVV2を入力してください。登録情報に問題がなければ以上でカードの紐づけは完了です。
Alipayに登録するカードはVISAもしくはMastar Cardがおすすめです。他のカードの場合は登録ができても利用できないケースもあるので、上記2つのブランドのカードを紐付けると良いでしょう。
またカードも1枚ではなく、複数枚カードを紐づけておくと良いです。カードの問題からか、たまに決済エラーが発生することがあります。エラー時の保険として複数枚のカード登録があると安心して中国に訪問できるでしょう。
Alipayを使った決済方法
Alipayの支払い方法は、QRをスキャンするか、AlipayのQRコードかバーコードをスキャンしてもらうことで支払いが可能です。
「Scan」では、お店にあるQRコードを読み込むことで支払いが可能です。また「Pay/Receive」を押すとバーコードとQRコードが表示されます。お店のスキャン機で読み込むと支払いが可能です。非常にシンプルのため、特に複雑な作業をせず支払いが可能です。
Alipayで利用できるサービス一覧
Alipayは日本のサービスで例えるとPayPayと同じような決済サービスですが、Alipayは単純な決済サービスではありません。Alipayにはミニアプリ (ミニプログラム) がいくつか用意されています。
独自にアプリをインストールする必要なく、Alipay内で様々なサービスを利用できることが大きな特徴です。
例えば日本人が使えるサービスとしては以下のものがあります。
・交通公共機関のQR決済 (メトロ/バス)
・タクシー配車サービス
・シェアサイクル
他にも色々なサービスがありますが、特に外国人が利用すると便利なサービスです。これらを使いこなすだけで、中国訪問における利便性が大幅にあがります。
ちなみにミニアプリは英語ではなく中国語での利用をおすすめします。英語の場合利用できるサービスが少なくなることが大きな理由です。特にミニアプリ程度であれば漢字に精通している日本人であれば抵抗はあれどなんとか使いこなすことは可能でしょう。
事前準備：ロケーションの設定
まずはミニアプリを利用するときは、訪問先のロケーションの設定をしましょう。
左上ロケーションを変更する場所があります。こちらをタップするとロケーションの変更が可能です。日本人がよく訪問する地域はおすすめ都市として表示されるので、容易に選択が可能かと思います。
ロケーションによってその地域にあったアプリに自動的に変更されますので、アプリを使う際には必ずロケーションをチェック・変更するようにしましょう。
交通公共機関のQR決済 (メトロ/バス)
中国は日本とは異なり、公共交通機関の主流決済サービスはNFCではなくQR決済になります。少々面倒くさいことに、省によってQR決済サービスは異なりますが、Alipayではロケーションを対象地域に設定するだけで、対象の省のQR決済が可能です。
今回はロケーションを上海に設定しています。そのため上海のバスやメトロのQR決済の仕様が可能です。
アプリ上部のタブにある「公共」は「公共汽车」の省略で「バス」を指しています。その横にあるタブの「地铁」は「メトロ」を指しています。バスのQRとメトロのQRコードは別で用意されているため、利用する際には注意しましょう。
バスには入ってすぐの場所に、メトロでは改札機にQRをスキャンするための機械が設定されているので、機械にQRコードをかざすことで入場が可能になります。
中国のバスの乗り方を別記事で紹介しておりますので、気になる方はご参照ください。
タクシー配車サービス
タクシー配車サービスはUberや東南アジアで利用されているGrabと同じサービスになり、流しのタクシーと交渉することなく、ピックアップや目的地の設定が行うことができる便利なサービスです。
地域によって異なるかもしれませんが、配車サービスを提供している企業は「高德打车」と「滴滴出行」です。後者は日本でもサービスを提供している「DiDi」で、中国で最も有名な配車サービスです。利用する際は「DiDi」を使うと良いでしょう。
利用企業の切り替えは右上にある「切换品牌」から行えます。「ブランド切り替え」という意味ですが、こちらをタップすることで自由に企業を変更できます。
使い方は他の配車アプリとほとんど同様で、GPSがあればピックアップ箇所はご自身がいる場所に設定、「你要去哪儿」(目的地はどこですか？) に目的地を設定するだけで配車サービスを利用できます。
現金を使う必要や目的地を口頭で伝える必要もないため、移動の利便性を大幅に向上させられます。
シェアサイクル
中国は広大な土地を持つ国のため、ちょっと移動をしたい時でも数kmあることがあります。そういった場合シェアサイクルの利用がおすすめです。
地方はわかりませんが、都市部ではシェアサイクルが多く用意されています。アプリさえ使いこなすことができれば格安での移動が可能です。
対象のミニアプリは「骑行」です。このアプリを使うことで自転車をレンタルすることができます。使い方は非常に簡単で、「扫码开锁」(スキャンしてロック解除)から自転車のQRコードを読み込むことで自転車のロックを解除できます。
「哈啰出行 (ハローバイク)」というサービスですが、都市部には至るところにあるので自転車に困ることはないでしょう。
自転車の予め置く場所が決められていますが、基本どこでも置けるような環境です。しかも初乗りは1.5元から利用できるので、費用も抑えることが可能です。
まとめ
今回ご紹介してきた通り、Alipayは中国で必須の決済アプリですが、決済以外のサービスが使えるのが大きな特徴です。バス、地下鉄、タクシー、シェアサイクル、これらのサービスがAlipayであればアプリを別途インストールすること無く利用できます。
Alipayがあるかどうか、Alipayを使いこなせるかどうかで中国訪問の難易度が大きく変わるため、是非Alipayの利用を検討してください。
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