【韓国・清州】清州古印刷博物館で触れる印刷文化の歴史

清州古印刷博物館 韓国
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こんばんは、オヤジです。

2024年10月の清州旅行で一番印象に残ったのが、「清州古印刷博物館」です。印刷文化の歴史や金属活字製造工程を分かりやすく学ぶことができます。それでいて入館料が無料なのは驚きです。

今回は、清州古印刷博物館へのアクセス方法や見どころについて詳しくご紹介します。

清州古印刷博物館について

「清州古印刷博物館(チョンジュコインセパンムルグァン / 청주고인쇄박물관)」は、韓国の印刷文化、特に木版印刷から金属活字へと発展してきた歴史を紹介するために1992年に設立されました。

この博物館は、隣接する興徳寺(フンドクサ / 흥덕사)1377年に金属活字で印刷された「直指( Jikji / チッチ / 직지)」にちなんで建てられました。

館内では、古い木版印刷物から人形を使った金属活字の製造工程の展示など、印刷技術の変遷を分かりやすく学ぶことができます。

さらに、「近現代印刷展示館」や「金属活字伝授教育館」といった付属施設も併設されています。

清州古印刷博物館案内図

上の案内板の14が清州古印刷博物館、16が金属活字伝授教育館、17が近現代印刷展示館です。

世界に誇る金属活字本「直指」

直指の正式名称は「白雲和尚抄録仏祖直指心体要説(ペグンファサンチョロクプルチョチッチシムチェヨジョル / 백운화상초록불조직지심체요절)」といい、仏陀と僧侶たちが残した言葉を要約して上下二巻にまとめた仏教書です。

残念ながら上巻は伝わっておらず、下巻の原本のみがフランス国立図書館に所蔵されており、博物館に展示されているのはレプリカですが、その歴史的意義を肌で感じることができます。

特筆すべきは、「直指」がドイツのグーテンベルクが初めて金属活字を使って42行聖書を印刷したとされる1455年よりも78年も早い1377年に印刷されているという事実です。このことから、金属活字による印刷技術がヨーロッパよりも先に、東アジアで実用化されていたことがわかります。

2001年にはユネスコ世界の記憶」に登録されました

バス停のJIKJI

清州市内の至る所で「直指」や「JIKJI」という看板を見かけます。バスの案内板にも「JIKJI」の文字が刻まれています。

ロケーションとアクセス

ロケーション

住所713 Jikji-daero, Heungdeok-gu, Cheongju-si, Chungcheongbuk-do
電話番号+82432014266
WEBサイトhttps://cheongju.go.kr/app3/jikjiworld/content/japanese/index.html
営業時間9:00 - 18:00
休館日月曜日、1月1日、旧正月・秋夕(チュソク)
入場料無料
見学所要時間1時間〜、じっくり見る場合は2時間程度

アクセス

博物館へのアクセスは、バスかタクシーの利用が便利です。

バスの場合、停留所名は「고인쇄박물관.흥덕사지」で、813,715、832番バスが停車します。

バス停のハングルの読み方が分からないのですが、GoogleマップやNaverマップで『清州古印刷博物館』を検索し、現在地からのルートを確認すれば迷うことはないでしょう。

清州古印刷博物館

バス停を降りると目の前が公園になっており、公園の一角に清州古印刷博物館は位置しています。

見どころ満載の展示室

清州古印刷博物館の館内には、様々なテーマに沿った展示室があります。これだけの展示がある博物館が無料というのは本当に驚きです。

直指と興徳寺室

博物館の入り口には「直指」と興徳寺について紹介するマジックビジョンのほか、「直指」下巻の影印本や復元された金属活字版、興徳寺出土の遺物などが展示されています。

直指レプリカ

左が「直指」の現在の状態を再現したレプリカ、右は初めて印刷され当時の推定バージョンのレプリカです。

直指金属活字工房

人形を使って金属活字が作られるまでの詳細な工程が展示されています。

清州古印刷博物館人形

その工程は、字体の選定、蜜蝋の精製、蜜蝋を使った鋳型の作成、金属活字の鋳造、組版、印刷、校正、そして製本という流れで進みます。

赤いボタンを押すと人形が動き出す仕掛けもあります。また、蜜蝋を用いた活字製法の説明展示もあり、金属活字が生まれるまでの過程を具体的に理解することができます。

印刷文化室

清州古印刷博物館印刷

木版印刷技術が高水準に達していた新羅時代、金属活字が発展した高麗時代、「訓民正音(フンミンジョンウム / 훈민정음、ハングル)」公布後に印刷物が普及した朝鮮時代と、3つの時代の印刷文化が当時の印刷道具や古書を通じて紹介されています。

清州古印刷博物館印刷過程

蜜蝋を利用した金属活字づくりで使われた道具や、活字を組んで文章化していく組版の過程が分かる資料も展示されています。

東西印刷文化室(2階)

東洋と西洋それぞれの印刷術が、当時使用された器具などを通じて紹介されています。

グーテンベルクの活版印刷による世界初の印刷聖書についても詳しく紹介されています。

興徳寺址

展示室ではありませんが、博物館に隣接し史跡第315号に指定されている「興徳寺址」があります。

興徳寺址

址というと何も建物がない印象を受けますが、実際は金堂が再建され、仏像や鐘も安置されています。ぜひお立ち寄りください。

まとめ

清州古印刷博物館は、世界最古の金属活字本「直指」が生まれた地に建てられた、印刷文化の歴史を深く学べる貴重な場所です。

館内では、「直指」の歴史的意義や金属活字の製造工程を分かりやすく学ぶことができ、多くの展示物を通してその技術に触れることもできます。

韓国の誇る印刷技術の歴史と魅力を、ぜひこの博物館で体感してみてください。

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