こんばんは、オヤジです。
韓国中部の都市、清州(チョンジュ)には、歴史と自然が調和した魅力的なスポットが数多く存在します。
今回ご紹介するのは、清州市街にほど近い山の上に築かれた雄大な山城、「上党山城(サンダンサンソン)」と、その帰りに気軽に立ち寄れる「国立清州博物館」です。
歴史の息吹を感じながらの散策と、地域の文化に触れるミュージアム体験は、清州観光のハイライトとなるでしょう。
歴史と自然に包まれた要塞、上党山城
上党山城は、清州市上党区にある周囲約4.2kmの城壁に囲まれた広さ約18万m²の山城です。大韓民国指定史跡第212号に指定されており、清州市民の憩いの場として親しまれています。
正確な築城時期は定かではありませんが、高麗時代に編纂された歴史書「三国史記」には、統一新羅(紀元前57年~935年)初期に金庾信(キム・ユシン)将軍の息子が築いたという記述があります。
また、三国時代には、現在の清州地域が百済の上党県と呼ばれていたことが、山城の名前の由来となっています。
その後、16世紀の文禄・慶長の役(壬辰倭乱)に伴う修築を経て、1716年には石の城に改築され、現在でも当時の姿をほぼそのまま維持しています。
その堅固な城壁は、慶尚道や全羅道からソウルへ向かう要衝にあったため、高麗時代から朝鮮時代にかけて軍事上の重要拠点として機能しました。
現在残る城壁の全長は約4.2km、高さは約4.7m。一定ではない大きさの石材を積み重ねて垂直に近い壁面を構築し、その内側は土砂で埋め立てる内托(ないとく)工法という韓国の山城でよく見られる工法が用いられています。この工法により、城壁に沿って人が通れる通路ができているのが特徴です。
上党山城のロケーションとアクセス
ロケーション
住所 | Chungcheongbuk-do, Cheongju-si, Sangdang-gu, Sanseong-dong, 산28-2 |
電話番号 | +82432010202 |
アクセス
上党山城へのアクセス方法はいくつかあります。
路線バス
上党山城へは862-1か862-2のバスで行くことができます。忠清北道庁近くのバス停から所要時間約30分ほどです。
私たちは帰りにバスを利用しました。

上党山城のバス停は上の地図のオレンジの「!」の位置にあります。行きは手前の駐車場近くのバス停で降り、帰りは終点の飲食店が集まる「韓屋マウル土俗飲食村」のバス停を利用するのがおすすめです。

上の写真は「韓屋マウル土俗飲食村」のバス停です。
タクシー
私たちは往路はタクシーを利用しました。忠清北道庁の近くから乗車し、上党山城までの所要時間は24分、料金は11,770ウォン(¥1,296円)でした。
韓国でのタクシーの利用には旅行者向けのアプリk.rideが便利です。
登山
旅行者にはおすすめできませんが、国立清州博物館近くの登山道入り口から、約90分で城壁に到達できます。
見どころ満載の上党山城
上党山城には、歴史的な建造物や美しい自然景観など、多くの見どころがあります。
三つの門
現在、東門(鎮東門:チンドンムン)、西門(弥虎門:ミホムン)、南門(控南門:コンナムムン)の3つの門がほぼ原形のまま残っており、いずれも門楼が設けられています。

正門である控南門は南側に位置し、逆U字型のアーチ状の入り口が特徴です。

東門(鎮東門)はどっしりとした安定感のある造りで、西門(弥虎門)は城壁が外側に突出した甕城(おうじょう)の形をしているのが特徴です。
暗門
また、有事の際に人や物資を秘密裏に通過させるために築かれた暗門(アムムン)が現在2つ残っており、東暗門と南暗門があります。
敵に見つからないよう目立たない場所に設置され、内部にはすぐに門を塞げるよう石や土が積まれていたそうです。
東将台(トンジャンデ)
四方を見渡せる眺望の良い場所に立てられた指揮所です。

現在の建物は1992年に再建されました。
韓屋マウル土俗飲食村
城壁の内側には、伝統的な韓屋造りの家屋を利用した飲食店が集まる集落「韓屋マウル土俗飲食村」があります。

ここでは、パジョン、ビビンパ、豆腐料理など、素朴な韓国料理を楽しむことができます。散策の合間に、昔ながらの風情を感じながら食事をするのもおすすめです。
城壁ウォーキング
上党山城の一番人気のアクティビティは、全長約4kmの城壁を一周するウォーキングです。


所要時間は約1時間半ほどで、軽いトレッキング気分で周囲の自然や清州市街の景色を楽しみながら散策できます。
特に、高台からは周囲の山々と延々と続く城壁が見渡せ、自然に抱かれた遺跡の壮大な景観を堪能できます。
城壁沿いには売店やトイレがないため、事前に準備を済ませておくことをおすすめします。山城入口の駐車場付近には売店とトイレがあり、管理所で日本語のパンフレットも入手できます。
貯水池
控南門から東将台に向かう途中には貯水池があります。


木陰もあり、散策で疲れた足を休めるのに最適な場所です。現在の池は、元々あった水門が洪水で流失した後、1943年に造られました。
ドラマロケ地
上党山城は、過去に「大祚栄(テジョヨン)」(2006年)や「太王四神記(テワンサシンギ)」(2007年)といった人気韓国時代劇のロケ地としても利用されました。
ドラマファンにとっては、撮影地を巡りながらドラマの世界に浸るのも楽しみの一つでしょう。
季節の移ろい
春にはツツジが咲き誇り、秋には紅葉が鮮やかに色づくなど、四季折々の自然の美しさが楽しめます。特に気候の良い季節は、爽やかな風を感じながらの歴史ウォーキングが楽しめます।
帰りにはぜひ!国立清州博物館
上党山城からの帰りには、ぜひ国立清州博物館に立ち寄ってみてください。

国立清州博物館は、忠清北道地域の文化遺産を調査・研究・展示している博物館で、清州エリアの文化特色を紹介することを目的に1987年10月30日にオープンしました。
博物館の建物は、韓国を代表する建築家・金寿根(キム・スグン)が設計した韓国現代建築の記念碑的作品としても知られています。牛岩山(ウアムサン)の東山麓に位置し、美しい自然に囲まれた落ち着いた雰囲気の中で展示を鑑賞できます。


館内では、この地域の先史時代から現代に至るまでの多様な文化遺産を観覧することができます。
住所 | 143 Myeongam-ro, Sangdang-gu, Cheongju-si, Chungcheongbuk-do |
電話番号 | +82432296500 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
休館日 | 月曜日、1月1日、ソルナル(旧暦1月1日)・秋夕(旧暦8月15日) |
入場料 | 無料 |
上党山城からは、バスで市内に戻る途中で立ち寄ることができます。
まとめ
上党山城は、壮大なスケールの城壁、美しい自然、そして歴史的な背景を持つ魅力的な観光地です。ウォーキングを楽しみながら、古の息吹を感じることができます。
そして、帰りに国立清州博物館を訪れることで、清州という土地の文化と歴史への理解をさらに深めることができます。
清州を訪れる際には、ぜひ上党山城と国立清州博物館をセットで巡る旅を計画してみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない思い出となるはずです。
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